子育てをしていると、「子どもの将来のために、今できることは何だろう?」と日々自問することが増えてきました。そんな中で手に取ったのが、陰山英男先生の著書『かしこい子がつけている圧倒的基礎学力』です。
タイトルからは「勉強ができる子の育て方」のような内容を想像していたのですが、読んでみると単なる学力の話ではなく、「心の育て方」「親の在り方」について多くの示唆がありました。特に印象に残った3つの言葉を紹介しながら、私自身の気づきや反省も交えて記録したいと思います。
子どもの“できた”に、本気で驚くということ
「お子さんができたときに褒めるのはどなたでもやっていると思いますが、褒めるだけだとちょっと甘い。驚くのがいいです。ただ、子どもは敏感に感じとるので作為的に驚いてあげるのはなかなか通じにくい。」
この一文にハッとさせられました。
私はこれまで、子どもが計算問題をスムーズに解けたり、ひらがなを上手に書けたりしたときに、「よくできたね」「すごいね」と口では褒めてきました。でも、どこかで“親として当然のリアクション”として反応していただけで、心から驚いていたか?と問われると、正直自信がありません。
子どもは「本気で驚いてくれているか」「お母さん、喜んでいるか」を敏感に感じとっているんですよね。
これからは、子どもが何かをやり遂げたときに、私自身もその喜びにしっかり気づけるように、心の余裕を持って過ごしたい。驚くには、観察と感動の準備が必要なんだと学びました。
幸せだから、かしこくなる
「今、幸せだから学習に集中できてかしこくなるのです。今、幸せであるかどうかを考えてほしいですね。幸せなら子どもはかしこくなります。」
この言葉は、私の中にすっと落ちてきました。
親としてはつい「うちの子、これがまだできない」「もっと練習しないと」と“できる・できない”に目を向けがちです。でもそれ以前に、「今、うちの子は幸せかな?」という視点を忘れてはいけないと強く感じました。
4月から小学校に上がった長男。家庭学習も頑張っていこう!と私は意気込んでいましたが、子どもは「なんでやらないといけないの?」と聞いてきます。「勉強ができたら楽しいよ。先に覚えていたほうが楽だからだよ。」と未来の幸せを伝えていました。
「今、目の前のこの子が、笑顔で過ごせているか、幸せでいるかどうか」こそが、学びの土台なのだと改めて気づかされました。
親が明るく、どっしりといることの意味
「お母さん、お父さんがいつも明るく明らかで何があっても動じずに笑っていられるといいのです。」
この言葉もまた、私の心にグサッと刺さりました。
仕事に家事に育児にと、毎日が慌ただしく、つい時間に追われてイライラしてしまう日もあります。そんな時、子どもたちに強い口調で注意したり、「早くして!」「なんでできないの?」と声を荒げてしまうことも…。
でも、子どもにとって家は安心できる場所であってほしい。そのためには、まず親である私が、何があってもどんと構えて、笑っていられるように心を整えていかないといけないなと思いました。
もちろん、毎日100点満点の親でいることは難しいけれど、「明るくいる努力」「安心を与える態度」は、意識すれば少しずつ近づいていけるのではないかと思います。
おわりに
『かしこい子がつけている圧倒的基礎学力』は、単に「勉強ができる子」にするための方法論ではありません。むしろ、「子どもが心から学びたいと思えるような家庭環境をつくるにはどうしたらよいか?」という問いに、親として立ち返らせてくれる一冊でした。
子どもの可能性を伸ばすために、今すぐ何かを“教える”よりも、まずは“気づく”“感じる”“笑う”という小さなことから始めていきたいと思います。